デジタル生活で活躍するバッテリの劣化はなぜ起こるの?
さて、二次電池は、充放電を繰り返すうちに、だんだん使える時間が短くなっていきますが、実はその理由は 電池 の種類によって異なります。したがって対策も異なります。 鉛蓄電池 鉛蓄電池では、放電することによって、電極そのものが劣化する。正極側の電極は、放電により、はがれ落ちます(脱落する)。また、負極側では、鉛の表面が白色硫酸鉛という化合物になるサルフェーションという現象が起こり、電極自体の表面積が減ります。硫酸鉛は電気を通さず抵抗となり、また溶解度が低いため金属鉛が充放電のサイクルに戻らないため、発電効率が著しく低下します。 サルフェーションを急速に進行させるのが、過放電です。放置しておいても、勝手に発生する自己放電によっても反応は進行していきます。車に長期間乗らずに放置していると、バッテリがあがってしまい、充電ができなくなるのも、このためです。完全に放電しきるまえに充電することが、鉛蓄電池を長持ちさせるためには重要なのです。 ニッケル水素電池(ニッケル・カドミウム電池) ニッケル・カドミウム電池の負極に使用するカドミウムが有害な重金属であるため、代替品として負極に水素吸蔵合金を使用したのがニッケル水素電池です。したがって、この2つは同じような特徴をもっています。 これらの電池の劣化における特徴は、「メモリ効果」と呼ばれる現象です。バッテリを完全に使い切らず途中から再充電すると、前回の充電ポイントで大きく放電電圧が低下する現象です。「浅い深度の放電を受けた経歴を記憶(メモリ)」しているように見えるのでそう呼ばれています。 同じぐらい放電したところからの再充電を繰り返していると、この傾向は顕著になります。結果的に、再充電ポイントを超えても放電を継続する時に電圧が急降下します。機器側のバッテリ容量検知は放電電圧で判定しているため、電圧の急降下により「バッテリ切れ」と判定されるようになります。 メモリ効果が発生する原因は、実はよく分かっていませんが、再充電時に放電不可能な物質が蓄積していく、電極に使用している金属の合金が生成され、充放電サイクルに戻らなくなるなど、いくつかの説があります。 原因ははっきりしませんが、現象の解決には、「深い放電」(バッテリを完全に使い切るまでの放電)が有効なことが分かっています。最近の製品では